身心を蝕まれた娘。

我が家の3人の娘たちは

幼い頃からスポーツをしています。

 

水泳、チアリーディング、体操。

そしてカヌー。

 

個人競技と団体競技どちらも

全力で取り組んできた、取り組んでいますが、

様々な経験の中でたくさんの学びを得ています。

 

 

しかし、長い経験の中には、

もちろん苦しくしんどかったことも

たくさんあります。

 

 

それには、女性ならではの苦悩もあります。。

 

 

先日、

 

“女性アスリート外来”

 

というものがある病院についての

記事を読みました💨

 

 

過酷な練習や体重制限により生理が止まる、

疲労やストレス、骨への異常など、

 

女性アスリートが抱える問題は

その人の人生に大きな影響を与え、

時に長年に渡り身心を蝕むことがあります。

 

 

中学までチアリーディングをしていた次女は、

ある時から急に、

食事内容を過度に気にするようになり、

様子がおかしいので指導者に聞くと、

こんなことを言われました。

 

 

「ある保護者から、

 心配(不満?)の声を何度もいただきます」

 

「お子さんが『練習で一緒に組んでいる子が

 重くてしんどい』と言うそうです」

 

 

組んでいる子というのが、

まさに娘なのですが、、

それを親の私に伝えることなのかと

はじめは耳を疑いましたが...

思春期で生理もきてまだ間もなく、

ホルモンバランスや様々なことから

体重は増えやすいので、

 

ポジション的に

 

「無理のないよう体重を落としてください」

 

そう言われ、

大会までに、と目標体重、目標体脂肪を

確認しました。

 

 

毎回の食事を指導者に写真で送らせることは

やめさせてもらいましたが、

 

ただ、それまでに私の知らないところで

指導者から娘への体重に関するプレッシャー

すでに大きかったようで、

 

そこから毎回の体重測定もあり、

娘は、小学生を含む年下のメンバーたちと

自分を比べ、自分はとにかく

 

「体重が一番重い」

「体重が重いせいで、

 他の子に迷惑をかけている」

「軽くなれば、上手くなれる」

 

そう呪いともいえる激しい思い込み

苛まれることになりました...

 

 

そして、

ひどい便秘がはじまり、

生理が止まります。

 

 

私は冷静に考え、とにかく健康的に、と

食事内容を考えたつもりでしたが、

娘は暇さえあれば体重計にのり、

0.1、0.2キロ増えただのと言い、

これ以上落とさなくていいとどれだけ言っても

 

「軽くなれば、、軽くなれば、、」

 

と次第にマインドが

明らかにおかしくなってしまいました。。

 

 

“無理なく”...体重を落とす。

 

 

娘の体重はどんどん落ちていきましたが、

無理なく、、を心がけていたつもりが、

 

そもそも、、

 

体重を落とす必要はなかった

のだと、

 

そう気づいたのは後になってからです。

 

 

落とす必要がないほど、

体重も体脂肪も落ちているのに、

維持するどころか、

娘は、「もっと、もっと...」

まだ私は一番重くて皆に迷惑をかけている。

 

そう取り憑かれてしまいました。

 

 

修学旅行で一時的に一気に体重が増えた時は、

周りの子にどれだけ迷惑かけるんだ、と

娘はもちろん、親の私もひどく注意を受け、

娘は慌てて下剤を飲み、

体重は一瞬で落ちました。

 

そうです。

 

あまりの便秘のひどさに、

下剤なしでは無理になり、

 

常用しないよう気を付けていた私に隠れて

娘は、まるでそれが

ダイエットの魔法の薬かのように常用し、

適切な用量の倍以上服用していたと知ったのも

だいぶ後になってからでした。

 

一気に増えた体重も下剤で一瞬で元に戻った、

と体重測定で娘から知った指導者から

娘にかけた言葉は...

 

「じゃあ大事な大会の前日は

 下剤飲んで、本番当日は、

 一番軽い状態で来てな」

 

...でした。

 

 

下剤は危険です。

 

薬により無理やり腸を刺激し、

常用すると腸は正常に機能しなくなります。

 

 

お腹がもともと弱い私なんかが稀に服用すると、

翌朝、死にそうなぐらいの腹痛で

動けなくなります。。

 

 

大事な日の前日の夜~当日の朝に

こんなリスクのあることをしろという指導者。

 

 

大切な日の前日は、

リラックスして無理のない食事をし、

安心してぐっすり寝てほしいと思うのに、

 

娘の大会前日は、

 

そんなものは飲ませたくない私に、

 

「下剤飲ませてーーー!!!」

 

と血走った目で狂ったように

大声で叫び、怒り、泣きわめく娘がいました。

 

そんな狂ったマインドの娘を見て、

どうして、、、どうして、、、

と同じく泣きたかったのは私です。

 

 

引退直前、

「体脂肪も10%を切った!」と

嬉しそうな娘の顔は、やつれ、

 

最後の大会では、

今まで一度も見たことない表情の暗さで、

8年半も続けた中で、今までで最低の

ボロボロの演技でした。

 

本番で大きなミスなどなかった

自信のあった技も、ありえないほど崩れ、

 

それが最後の演技となった娘は、

これまで生きてきた中での

最低なトラウマともなるほどの

深い辛い思い出となってしまったのです。

 

 

脚力に自信のあった娘。

体重を過度に落としすぎたことで、

筋力が落ち、もはや、技で立つことも

できなくなったのだと、後で分かりました。

 

 

泣きじゃくる娘。

辛くて見ていられない私。

言葉もかけれなかった私。

 

 

ごめんね、と言いたくなったのは、

私が親として、そうさせてしまったのかと

自身を責めたからです。

 

 

変な洗脳に飲まれないよう、

必死に栄養のことや、

スポーツメンタルについて

娘にはたくさん話をしてきたけれど、

 

娘は、分かった!私は大丈夫!

と言いながらも、

やはり私が見ていないところで、

そばにいてやれないところで、

メンタルは、深く、深く、

洗脳されてしまっていました。。

 

 

そんな娘の最後ですら、

指導者からは本人を褒めるどころか、

ねぎらいの言葉も、

今まで頑張ったことを認める言葉も、

何一つかけてはもらえないまま

競技人生が終わったのです。

 

 

辛すぎた最後でしたが、

同時に、私たち親子は

心からほっとしたのを今でも覚えています。

 

ようやく解放される。

 

それは、

辛い食事制限だけでなく、

 

指導者の呪いともいえる洗脳から。

 

 

そこから改めて、

娘とはたくさん話をし、

正常なマインドに戻せるよう

リハビリともいえるマインド作りが

再度はじまりましたが、

 

頭では理解できても、

深く根付いた不安や恐怖は

後遺症となり、ふとした時に出てきました。

 

また、病院にも相談し、検査もし、

数ヵ月後にようやく生理はもどりましたが、

ひどすぎる便秘は全く改善せず、

あらゆる手をつくし、

いまだ様々な治療をしています。

 

 

 

先日読んだ

“女性アスリート外来”。

 

そこでは、

娘のように体重制限で苦しむ

女性アスリートについて書かれていました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e4319d5b0537f0e5f7438653ec8e2c08e3b9751d

 

 

何が正しいのか。

 

正しい知識を学べず、

指導者の持論を信じてしまい、

身心を壊してしまう。

 

そんなアスリートたちは

たくさんいるんです。

 

 

モチベーション高く楽しく競技をし、

“そんな自分を好きだ”と言えるアスリートは、

どれだけいるでしょう。。

 

 

辛すぎる競技の最後ではありましたが、

少しずつ月日が経ち、

メンタルと身体のケアを続け、

後遺症はまだあるようです。

 

記事によると、

 

栄養状態を戻しても、

身体が元にもどるまでは

長くかかる。

栄養を数週単位で戻し、

生理が戻ってくるのに数ヵ月単位。

骨が戻ってくるのは単位。

これを見て、正直ぞっとしました...

 

娘の腸もまだ戻っていません。

 

 

今の私に出来ることは、

 

学びを止めず引き続き

知識をアップデートしながら

娘のケアをしていくことと、

 

同じような思いをするアスリートが

少しでもいなくなるよう、

発信していくことだと思っています。

 

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