“向き合ってきた過去”と“成長への道”

私の娘たちは

幼い頃からスポーツの世界で生きています。

 

団体競技、個人競技、

どちらも経験しており、

プレイヤー本人はもちろん

親としても様々な経験をしてきました💨

 

 

まだ、次女が小学校低学年の頃。

 

人一倍運動神経が良く、

アクロバットなことも

短期間で驚くほど習得していきました。

 

当時は、親子で自信に溢れていましたが、

そんな時、突然、

娘が一度だけ技に失敗して

尻もちをついたことがありました。

 

通常なら、そんなことは誰にでもあるし、

再度トライしてやるだけ。

 

けれど、その直後から

 

娘の身体は動かなくなりました。。

 

何度やっても身体は硬直し、

やりたい気持ちとは裏腹に身体は

ストップをかけてしまい、

やればやるほど、おそろしく恐怖で

いっぱいになると言うのです。

 

一度失敗したことで“スランプ”になることは

よくあることだと、私は当初深刻には捉えず、

 

「出来てたんやから、また出来る」

 

「大丈夫、大丈夫」

 

と声をかけていました。

 

しかし、何日、何週間、何ヵ月経っても

娘が元のように戻ることはありませんでした。

 

 

原因を探そうと親子で必死に考え、

自主練の仕方を変えましたが、

 

その間、当時のチームの指導者から

繰り返し繰り返しかけられた言葉は、、

 

「なんでできひんの!」

 

そして、

 

「みんなに迷惑かけてるやろ」

 

でした。

 

なんで出来ないか、分かれば

こんなことにはなってない。

 

チームスポーツである以上、

チームメイトに迷惑かけてることは

一番分かってる。

 

辛くてたまらないのは本人なのに、

 

出来ない悔しさと、情けなさと、

曲げれない自分のプライドでいっぱいの心は

次第に、押さえ切れないイライラと

怒りや悲しみでおかしくなっていきました。

 

 

なんで、うちの娘だけが....

 

周りの子たち、周りの親を見ては

羨ましくてたまらなくなり、

 

とにかく、

 

「うちの娘のせいで迷惑かけてすみません」

 

「本当に申し訳ありません」

 

私は、ひたすら頭を下げ続けていました。。

 

そんな中、

藁をもすがる思いで相談した先は、

 

"スポーツメンタルカウンセリング”

 

でした。

 

そこで話を聞いてもらい、

分かったことは、、

 

娘が

【イップス】

だということ。

 

 

何かのきっかけで、

脳が危険と判断し身体の動きに

ストップをかけてしまい、硬直してしまう

症状でした。

 

 

そこから、

カウンセリングをはじめ、

脳波をはかったり、

様々なメンタルトレーニングをスタートし、

同時に、脳や情報伝達の仕組みについても

親子でたくさん勉強するようになりました。

 

 

当時、【イップス】という言葉も

初めて聞いた言葉でしたが、

主に、中高校生、大学や社会人のアスリートでは

珍しくない精神的症状

 

 

野球やゴルフの選手に多く、

他にもテニスや剣道、サッカーや卓球など

様々なスポーツにおいて、

発症している選手は多数いるということ。

 

 

小学生、しかも、低学年で発症するのは

珍しいと言われましたが、

決して起こり得ないことではないと

言われました。

 

 

周りや、時に自分自身からの

過度なプレッシャーや

向上心が高いがゆえに発症する

と言われ、

 

あのイチロー選手もかつて

かかったことのある症状だと知りました。

 

 

それを知り、私たち親子は

ふっと心が少し楽になった気がしましたが、

娘の症状を指導者に伝えると、

 

 

「こんな子は今までいないから

 どうしたらいいか分からない」

 

「症状がどうとかより、

 チームメイトに対する態度が悪い」

 

「このチームにいるより、

 レベルを下げたチームに移る方が

 本人のため」

 

 

と、娘への指導に匙を投げられ、

娘の症状や気持ちを理解しようとは

してもらえませんでした。。

 

 

演技の中で、

途中突然、娘だけ硬直するたびに、

指導者からは

心を突き刺すような言い方で

何度も何度も怒られ、

 

「やらないんやったら、どいて」

 

「あんたのせいで、レベルが下がる」

 

と、たきつけられ、

 

 

娘は

出来ない悔しさ、

身体が固まる恐怖、

指導者からの恐ろしいほどの圧力から

いっこうに抜け出せず、

苦しい苦しい長い年月を過ごしてきました。

 

 

それに伴い、私が娘と共に

“スポーツメンタル”について

何年もかけて学び、

自己認知の大切さと同時に、

 

スポーツにおいて

 

身体(フィジカル)

技術(テクニック)

 

に続く、第3者のpowerとなる

精神(メンタル)の重要性、

 

を理解してきました。

 

身体は、脳からの指令で動いています。

 

 

しかし脳は、

“考える”ことが先ではありません。

 

脳は、人が思う、考える前に

瞬時に判断して身体を動かしているのです。

 

怖いと“思う”から

身体が動かないのではなく、

 

動かないから“怖い”

と思うのです。

 

 

「怖がらずにやってごらん」

 

と、当時の娘に言っても、

本人は、何度自分は大丈夫だと思っても、

身体は“思うよりも先に”危険と判断し

身体の動きをストップしてしまうのです。

 

 

危険ではない、と脳に言い聞かせる、

騙す、ことでしか、

症状はおさまることはないのです。

 

向上心が高く、

 

『勝ちたい』

『期待にこたえたい』

『失敗したくない』

 

という気持ちが強ければ強いほど

発症しやすく、改善しない

【イップス】

 

「前は出来てたんだから」といった

以前と比べる言葉は

最も娘にプレッシャーをかけ、

 

時に、

 

「やる気がない!」

 

「やろうとしてない!」

 

と指導者から言われたこともありました。

 

 

【イップス】は、

治療法があるというものではありません。

克服するもの、でもありません。

 

一度発症し、それが原因で

現役を引退した選手、

 

症状を、自分のメンタルを理解し、

うまく付き合ってプレーを続けている選手、

 

ある時ふっと症状がなくなる選手、

 

など、様々です。

 

娘の場合は、

うまく付き合いながら競技を続けました。

 

無知で学ぼうとしない

勝利至上主義の指導者からの

過度なプレッシャーを、うまく流す術も

親子で身につけ、

 

競技を続ける意味、仲間との絆、

目指す自己実現をはっきりと確認できたからこそ

8年もの期間、続けたのだと思います。

 

 

けれど、

 

“続けたから良い、偉い”

わけではありません。

 

 

やめること、

在籍を変えること、

 

これらは決して逃げではありません。

 

要は、

『目的』

 

自分が何をしたいのか。

 

何を目標に、何を頑張りたいのか。

 

 

それをはっきりすること☝️❗️

 

 

私たち親子は

反面教師で学んだことはたくさんありますが、

心をズタズタにされたことも、また事実です。

 

 

心が落ち着いていなければ、

スポーツはできません。

 

プレーヤーとして

上を目指したいのであれば、

 

自分のメンタルと向き合い、

正確に理解し、

コントロールできるように

学ぶ必要があるんです。

 

 

モチベーション高く競技に向き合えるよう、

たくさん話をし、考えること。

 

 

脳がうまく働かなければ、

身体は思うように動いてはくれないのです。

 

 

「喋る暇があったら、練習しろ」

 

そんな考えの指導者は残念ながら

この世の中にまだまだたくさんいます。

 

 

ついていける奴は強い。

ついていけない奴は弱い。

 

そんな考えでは、

素晴らしい選手はいっこうに育ちません。

 

 

【イップス】になった選手は

メンタルが弱い?

 

そんなことはないんです!!

 

 

環境を見直し、過度なプレッシャーを与えず、

心が楽になることで

症状がおさまることもありますし、

おさまったかと思えば、

娘のように、突然フラッシュバックのように

症状が出てくることもあります。

 

それでも、

 

焦らないこと。

どんな自分も自分。

バツはつけない。

 

落ち着いて、

その状況を“受け止める”こと。

 

 

そうやって、

娘は成長しました。

 

 

すごくすごく成長してくれた娘に、

 

指導者は最後、

「あんただけ昔から成長してない」

と言いました。

 

 

その大人の言葉に傷つかなかったと言えば

嘘になりますが、

学びを続けた子どもの娘の方が

はるかに上だったことは言うまでもありません。

 

 

これが、

私が"スポーツメンタル”の大切さを

お伝えしたい理由です。

 

 

プレーヤーだけでなく、

指導者に欠かせない知識なのです。

 

 

娘はその後、別の競技へと挑戦を変え、

3人の娘たちは、今でもそれぞれ

スポーツの世界で生きています。

 

それぞれ、日々いろいろな経験をし、

メンタルの学びもたくさんあります。

 

おかげで私も、貴重なお話を聞くことも、

様々な相談を受けることもあります。

 

大切のは、

 

どんなことも、

起きるには理由があって、

学ぶためのチャンス。

気付きをくれる機会。

 

だということ☝️

 

 

 

これからも、

どんなことが起きても、きちんと向き合い、

試行錯誤と努力、トライアンドエラーを

繰り返しながら、

講師としても、サポーターとしても

成長していきたいと思います。

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